イーサリアム(ETH)の取引をする際に、送金時に良く目にするのが「ガスリミット(Gas Limit)」ですが、初心者さんの場合、これが何のか良くわかりませんよね。
送金手数料かなという事は何となくわかると思いますが、ビットコインなどは送金時に手数料としてBTCで支払われますが、イーサリアムの場合は、ETHで支払うのではなく、ガス価格(Gas)で支払います。
そのイーサリアムの送金時に必須とも言われる「ガスリミット(Gas Limit)」について、詳しく解説していこうと思います。
Index
ガスリミット(Gas Limit)とは?
イーサリアムの送金時になぜガス(Gas)が必要なのか?
イーサリアムで使用されている仕組み上、送金時に承認するための手数料(トランザクショ承認手数料)が必要になります。普通、ビットコインの場合は、手数料はBTCになりますが、イーサリアムの場合は、ガス(Gas)というものが使われています。
イーサリアムをウォレットから送金する際にはそのガス(Gas)を設定しなければなりません。なお、イーサリアムは送金以外にもスマートコントラクトを実行するために燃料として手数料が必要なため、Gas(燃料)とも呼ばれています。
ガスりミット(Gas Limit)とは?
ガスりミット(Gas Limit)とは、ガス(Gas)の最大値(上限)を設定するための数値になります。分かりやすく言うと、車があったとしたら、そのガソリンを入れる燃料タンクに例えることができます。
このガスリミットを設定する事で、その数値以上になった場合は処理が中断され、それ以上の送金手数料が発生しないという仕組み上のメリットがあります。
つまり、ずっと処理が実行され続ける事で送金手数料の支払いが無限ループ(際限なく発生する=ガス量が無限に大きくなる)ことを防ぐ事ができるのです。
ガス価格(Gas Price)とは?
ガス価格(Gas Price)とは送金手数料を設定するために必要なもう一つのパラメーターがガス価格になります。これは1Gas当たりの価格になります。
このパラメーターを引き下げる事によって、送金手数料を軽減することができmすが、ガス価格を下げすぎるとトランザクショの承認にかなりの時間がかかる事がありますから、その点を考えて、設定する必要があります。
ガス価格の単位は、「wei」が使われています。1weiはイーサリアムの単位で1ETHとのレートによって、数値が設定されます。
ガス価格は送金者が自由に設定することが出来る反面、トランザクションの承認をする際にはガス価格が大きいトランザクションを優先的に承認されるため、ガス価格を大きな値にしておいた方が速く送金されると言えますし、逆に下げすぎると時間がかかる場合もあります。その点を考えた上で、設定することが大切です。
イーサリアム(ETH)のガス価格と送金手数料はいくらかかる?
イーサリアム(ETH)を送金する場合、その時に必要なのはETHではなく、ガス(Gas)という別の単位のもので送金する事になります。
ガス(Gas)については、前の項目の所で詳しく解説しましたので、ここでは省略しますが、このガス(Gas)によって、イーサリアムの送金手数料が計算されます。
イーサリアムの手数料は以下の式で算出されます。
手数料(ETH)=ガスリミット(Gas:使用したガス量)× ガス価格(gwei)
ガス価格(gwei)と言うのは、1ガス(Gas)あたりの料金がいくらになるかという事です。なお、1gwei = 0.000000001 ETHとなっています。
ガスリミット(Gas Limit)はどれくらいに設定すればいいのか?
ガスリミットGas Limit)とは、ガス(Gas)の最大の量(上限)を設定するためのパラメーターになります。
マイイーサウォレットでは最大値のガスリミットが21000に設定されています。つまり、21000までガス量が使えますよという事になりますね。
では、送金時に、ガスリミット(Gas Limit)はどれくらいに設定すればいいのかという事になります。
このガスリミットは送金方法に種類によっては設定する必要がないのです。つまり、どういう場合に必要になるかというと、ウォレット間の送金時のみ設定する必要があります。
ですから、取引所間の間で送金する場合は、あらかじめ手数料が設定されているため、その決められた手数料が支払われるのでガスリミットを設定する必要がないのです。
では、ウォレットから送金する場合は、基本的にガスリミットはデフォルト値で大丈夫です。取引が混雑していたり、活発になっている場合などの時はある程度のガスリミットを上げておくといいかもしれませんが、通常の場合はデフォルト値のままで送金しても問題はないと思います。
ガスリミット(Gas Limit)の設定での注意点
ガスリミットを設定する場合に注意する点をまとめてみました。
ガスが高騰する場合もある
送金時に混雑していたり、活発に取引が行われている時など、ガスリミットが急に跳ね上がる事もあります。その場合は混雑状況を確認して、送金をするといいでしょう。
このようにイーサリアムの欠点でもある、ネットワークの状況によって、ガスリミットが跳ね上がってしまう事も知っておくといいです。
ガス欠の場合や早く送金したい場合は?
ガス欠が起こったり、急いで送金をしたい場合は、ガスリミットを2~4倍程度に設定して送金すると届くようになります。ガスリミットを上げると送金手数料もあがりますが、その分、優先的に送金されるので、その時の状況を見て、ガスリミットを設定するといいでしょう。
ガスリミットを低くしすぎない
送金手数料を安くしたいのはわかりますが、ガスリミットを低くし過ぎるのは良くありません。
そのようにすると送金時にガスが足りなくなって、送金が遅れたり、止まったり、送金できなくなるという事が起こり得ないとも限りません。その時に使った送金手数料は戻らないので、ガスリミットをあまりにも低くしないようにした方がいいです。
基本的にはデフォルト値以下にガスリミットをしない方がいいです。
まとめ
イーサリアムのガスリミット(Gas Limit)について、ガス価格やその設定方法などの解説をしてきました。
ガスリミット(Gas Limit)がどんなもので、どのように設定したらいいのかが理解できたのではないでしょうか?特に、初心者の方にとっては、何なの?という事で戸惑う事もあったと思いますが、これで、理解が深まったと思います。
ガスリミット(Gas Limit)はイーサリアムの送金手数料を決める際に重要な役割を持っているものの一つといえます。
基本的にはガスリミットはあまり、いろいろといじる事はしないので、どうしても送金手数料を下げたい場合は必要に応じて変更し、減らしていくといいと思います。